今村家は東安堵村の草分けの旧家であり、江戸時代中ごろから村の役人として庄屋などを務めてきました。幕末には私塾を開いており、有名な天誅組の伴林光平とも深い交流がありました。このような新しい時代の空気を予知しながら、奈良県近代史の父である今村勤三が成長していきました。彼や町内を代表する先駆者を称え、文化財を保存するために、今村邸は歴史民俗資料館として文化普及の一環として活用されています。

中家は、広大な屋敷を持ち、二重の濠に囲まれており、平城型式を取り入れた武家造りと農家造りを兼ねた民家です。中氏は古くは足立氏と称され、足利尊氏に従って大和に入り、明徳2年（1391年）に中氏と改名しました。その後、筒井一族となり、ますますその勢力を強め、武士から帰農して現在に至っています。

安堵町文化観光館「四弁花」は、2019年8月にオープンした新しい施設です。名前の「四弁花」は、安堵町出身の日本近代陶芸の巨匠である富本憲吉が作品に用いた四弁花模様に由来しています。この施設は、安堵町の観光情報を発信する拠点として位置づけられており、富本憲吉の生家の前に建てられました。1階にはギャラリーと休憩スペースがあり、2階は研修室として利用することができます。